最近読んだ一冊


9月に購入した本、平野啓一郎著「死刑について」


時間を見つけて繰り返し読んでいます。





かつては死刑存置の立場であった著者が、廃止という立場の考えに至った過程や、また、死刑廃止の国際的な趨勢に反し、死刑を存置し続ける日本、死刑を支持する声も依然として根強いことなど、小説家である著者が自身の体験を交え根源から問う一冊です。



日本で死刑が支持され続ける理由として、日本における人権教育の失敗、メディアの在り方、死をもって罪をつぐなうという日本の文化など、数点挙げられています。そして、被害者へのケアの不足についても。



私自身、心情的な理由から死刑制度が存在するのはある意味仕方がないという思いと、一方では、死をもって本当に罪をつぐなうことができるのかという複雑な思いがあり、矛盾しているところがあります。


人の生死にかかわる問題なので、それだけに重く難しいテーマだと思います。




特に本書の中で注目した部分は、誰にいつ執行するか、どの時期に何人執行するかなど、政治と官僚組織の中でとてもシステマティックに議論され、ほとんど恣意的に決められているという部分です。



先日も、法務大臣の「死刑のはんこを押すときだけニュースになる地味な役職」発言がありましたが、あまりにも人の命を軽視したような発言に戦慄を覚えました。政治家である以前に、人間としてどうなのかと。。。



なぜ日本は死刑制度がなくならないのか、今回の法務大臣の一件から、日本という国の姿を改めて垣間見たような気がします。


最近の日本の政治の劣化は目に余るものがあります。


今回の件も含め、このように酷い内閣の下では、死刑執行は行われるべきでないと思いました。



今の社会、自助ばかり強調されて公助の部分が欠けています。人に対する優しさも欠けていると思います。


憎しみで連帯する社会ではなく、人に優しい社会であってほしいと思います。



「死刑」という重たいテーマで、言葉にするには難しく、ブログに書くこともはばかれるようでしたが、静かな文体で分かりやすくまとめられていて、共感できる一冊でした。





今日のタマ🐈




近所の人からピーマン、さつま芋をたくさんいただいたので、今夜は野菜の天ぷらを作りました。


ピーマン、さつま芋、玉ねぎの天ぷら




大根の葉を軽く茹でた後、炒めて甘辛く味付けしました。シャキシャキとしていて美味しかったです😋